【白内障のいろは】症状/原因/手術のことで悩む前に
先天性白内障

母胎のウイルス感染が原因!?〜乳児の白内障

先天性白内障は乳児の出生直後や出生後早くから、また1歳を過ぎた頃や思春期を迎えた後に眼球にある水晶体が混濁し始める疾患です。
この先天性白内障の原因は、胎児を守る役割のある母胎が妊娠3ヶ月頃までにウイルス感染したことによりウイルスが胎児にまで影響し、先天性白内障を発症するとされています。
またウイルスなどが子宮内感染した場合の他、代謝性疾患や染色体異常、母胎疾患が誘因であるとされています。

赤ちゃんの視力はどうなる? 先天性白内障を考える

先天性白内障は出生時において眼底検査および赤色反射の観察が行われないと見逃すことがあります。乳幼児の場合、眼球の白っぽさの異常に親が気づき、先天性白内障が発覚することもあります。

また物が見えるようになる歳になっても周囲に反応を示さないことや、3ヶ月過ぎあたりから眼球の揺れが治まらない眼球振盪(がんきゅうしんとう)が現れることがあります。

これらの症状を放置しておくと視力障害を引き起こしたり、弱視になる恐れがあるので、早期の手術を必要とします。

先天性白内障における子宮内感染とは何か?

先天性白内障における子宮内感染のほとんどが風疹ウイルスによるものとされています。

妊娠中に感染した風疹を先天性風疹症といい、先天性白内障はこれに含まれます。

先天性風疹症の場合、自覚症状がないこともあれば発熱やリンパ節が腫れるなどの症状が現れることもあります。また関節症状が他の症状と一緒に発症することもあります。
母胎の中の胎児には影響がない場合もありますし、ウイルスの影響を強く受けて子宮内で亡くなってしまう子宮内死亡や、いつくかの障害を一緒に発症させて生まれてくる多発奇形が起こる可能性もあります。

出生時に持って生まれてくる障害は白内障、聴力障害(難聴)、心疾患(肺動脈狭窄・動脈管開存)、網膜症、異常行動、精神発達遅滞など多くあります。

代謝性疾患とは

胎児に白内障などの影響を与える代謝性疾患はここではガラクトース血症(メープルシロップ尿症)が主と言えます。胎児へ影響を与える代謝性疾患はその他にクレチン症、フェニルケトン尿症、先天性副腎過形成症などがあります。

ガラクトース血症とは母乳内に存在する、乳糖を作る成分のガラクトースをブドウ糖に変換するための酵素系物質に障害が起こり、血中内のガラクトース値が高まることにより起こる病気です。
酵素が欠けることにより生じる欠損症にトランスフェラーゼ欠損症というのがあり、このトランスフェラーゼ欠損症を引き起こしたまま乳児に母乳を与え続けると白内障や知能障害を引き起こし、乳児期に死亡する確率が高くなります。

赤ちゃんの視力を取り戻す〜先天性白内障の治療

出生時に肉眼で確認できるほど水晶体が混濁しているか、検査により白内障が確認された場合はすぐに手術が行われます。
また生後17週以内に手術を行い、水晶体の白濁を取り除くことができたのであれば視力は発達することができます。小児においては眼内レンズの挿入を行うことができますが、メガネやコンタクトレンズによる視力矯正を必要とします。

片目のみに現れた白内障を片眼性白内障と呼びますが、片眼性白内障の手術により白濁を取り除いた場合、脳がもう片方の障害の生じていない眼を主に使用するため手術を行った方の眼に弱視が生じるという結果を招きます。弱視に対しては適切な弱視治療を行うこととなります。

手術を行っても質の良い視力を獲得できないこともありますし、両眼性白内障で両眼の手術をしたことによって左右ともに同質の視力を得ることもあります。

  • <症状と手術>白内障の治療・手術・予防
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